平成26年5月28日(No6369) 新祝日に「山の日」
新祝日に「山の日」
「山の恩恵に感謝し、豊かな自然を次世代に残す」。そんな思いが込められた「山の日」が国会で賛成多数で決められた。今度は「河の日」でも生まれるのだろうか。祝日が増えるのは構わないが、「海の日」があるから「山の日」もという安直な理由には賛成しかねる。「これまで内向きだった子どもたちが山の偉大さを体得できるし、ふるさとの回帰につながる」
「山の日」制定議連の衛藤会長は語るが、果たして子どもたちが目を向けてくれるかどうか。「ぜひ山を登ってほしい」とも話していた。日本の祝日は世界一多い。あいまいな休日を増やす意味があるのかどうか。もう少し祝祭日の意味を徹底しないと単なる休日が増えただけに過ぎない。国旗を掲げる家庭や企業が余りにも少ない。少なくとも祝祭日ではない。
手前勝手な屁理屈だが、8月11日の休日は仕事に差し支える。広島では伝統的に8月13日からお盆の休みに入る。いっそのこと12日なら割り切れる。ところが日航機が墜落した日のお祝いは似合わないと1日前になった。なんとしても祝日を増やしたいなら、祝日のない6月がよかったのではないか。もしくは伝統的な「明治節」「新嘗祭」の復活がいい。
採決に棄権したみんなの党の江口顧問は「ただでさえ祝日多いのに山だ海だと言い出したらきりがない」とその理由を述べた。その舌の根も乾かないのに「おもてなしの日」はどうかと提案していた。11日が日曜になれば、振替休日の適用で6連休になる。祖先を敬う心が復活すればまだしも、レジャーに現をぬかし、山や海の事故が増えては目も当てられない。
安直に祝祭日を振り回すことなく、日本の伝統を尊ぶ意味のある「旗日」を制定して欲しいものである。先生方、如何。