平成29年9月23日(№7425) 身辺整理の年齢
身辺整理の年齢
30年前から10年間、広島県中小企業家同友会のお世話をしていた。その頃、ふとしたご縁で愛媛大学のY教授と、肝胆相照らした。当時は40歳と50歳の意気盛んな年代で、少しの無茶は許されたものだ。たまたま愛媛県松山市でY教授のお話を聞く機会があった。穏やかな話し方で無駄な言葉がなく、やんちゃな学生たちとともに引き込まれてしまった。
広島での講演はどうかと思ったが、意外にあっさり引き受けてもらった。同友会での講演会は、概ね100人程度の規模である。ところが会場は素晴らしかったが、定員750名収容の大箱である。100名超は集まったものの、空席が圧倒的に多く、Y教授には申し訳ない思いだった。聴衆が1人でも1千人でも同じと、熱弁をふるって仲間を感動させてくれた。
その後お目にかかっていないが、発行する小冊子など28年送り続け、交流は続いた。そのY教授から、小冊子と1通の手紙が届いた。「長年この未熟者にご厚情をいただき感謝します。私も70歳を超え身辺整理の時期を迎えました。それ故冊子など整理しなければならない事情が生じています。冊子も次号よりストップしていただきたくお願いします」。
お礼にと「健康教育ゆとろぎ」の冊子が同封してあった。あらためて己の年齢を教えられた。10歳も若い人が身辺の整理に入っている。わが野放図な日々を反省させられた。自分としては世の中の役に立っていると思っていることが、迷惑を掛けている。身辺整理どころか雑用を増やし続けている。まだ若いと思っているが、それは驕りではないかと考えている。