平成29年9月10日(№7412) 「消滅集落」激増
「消滅集落」激増
先日、農業委員会から耕作していた田畑の将来計画について問い合わせがあった。「親子農業体験塾」を中止して、もはや将来計画はない。「計画なし」として返信した。健康であれば故郷の振興に力を出したいところだが、八十路を超えて病身ではどうしようもない。畑の周辺はまだ耕作しているが、田んぼの奥はすべて荒れ地となっている。農業をする人はない。
わが広島県の人口は2,860,750人で中国地区のトップに立つ。最下位の鳥取県は588,667人、島根県は717,397人、大都会の平均的な「区」より少ない。広島県も多いようだが、広島市を中心に福山市、呉市、東広島市の周辺に人は集まっている。農村地帯では一人も住んでいない集落が、相次いで生まれている。空き家は傾きかけ、暮らす人は一人もいない。
広島県の北部では縦横の道路と、農協などの大きな空き家が並んでいる。島根県では松江市と出雲市が全県の半分以上の人口を占め、70%の地域は消滅している。鳥取県でも事情は同じこと。米子市と鳥取市が人口の60%を占めている。全国いたるところに同様の歪さがある。アベノミクスは経済の成長ばかり追い求めるから、日本の国をガタガタにしている。
安倍さんがあくどいとか能力が足りないとは思わないが、一億総活力化などとお題目を並べてもタネを蒔く場所がない。わが故郷など40年前は2千人を超える人口がいたが、今では360人。20年もすればゼロに近くなるのではないか。経済の成長も必要だろうが、日本の何処でも国民が生きていける土壌が欲しいものだ。それでもまだ道路を新設している。