平成24年6月5日(No5647) 水先案内人
水先案内人
「生涯学習・プラスワンステージ」は30ヵ月を超えた。月4回だから延べ120講座、延べ1200名の熟年者が受講した計算になる。常任講師の人柄と研究熱心によるところが多いが、当初の予想をはるかに超えて繁盛している。一方、「人生講座」は6月で100講座、2クラスだから200講座、延べ1400名を迎え入れた。受講料収入は130万円。
OB施主とのご縁を深める目的で開いたが、初期のねらいは当たった。しばらくは続きそうだ。人生講座は「木原伸雄のちょっととーく・心豊かに生きるため」と銘打っているが、講座の運営では講師ではなく、単なる水先案内人と位置づけている。もしも成功と断ずるならば、講座の運営方法がポイントになっている。聴講ではなく参加型で学べるシステム。
現在は司馬遼太郎の「街道をゆく」をテーマに学んでいるが、当初から一貫して日本人としての生き方を問うている。鍵山哲学、論語、ジャパニストを経て現在に至っているが、参加型の運営とは、テーマに沿って自分の考え方を要約して述べる、遮らない、受け入れる、否定しない、それらの進め方が知的好奇心を刺激し、意義ある生き方を求めるようになった。
こうした進め方を会議などで取り入れると、討議するレベルがアップするように思う。極めつけはすべての意見を容認し、水先案内人が望む方向に導くことにある。自分の考え方を認めてもらうには、練られた意見が欠かせない。それには予習とやる気が必要になる。企業の会議では頭から否定しても、それだけで会社を辞めないがやる気を失う。講座で無視すれば次回から参加しなくなり、継続できなくなる。