平成29年9月7日(№7409) 「孫子の兵法」⑨ 意表をついた行動を取る
「孫子の兵法」⑨ 意表をついた行動を取る
2500年前に書かれた兵法書で、現代まで研究が進んでいる『孫子』。なぜ、これほどの長期間『孫子』の名声は衰えなかったのか。最大の理由は、戦争に勝つ真理「間接的アプローチ」が書かれていることだ。勝つためには意図を表に出さず、意表をついた行動を取ることだ。勝つためには自分の意図を悟られてはならない。「孫子の兵法」の秘訣は、ここにある。
戦争は、しょせん、騙し合いである。たとえば、出来るのにできないふりをし、必要なのに不必要と見せかける。遠ざかると見せかけて近づき、近づくと見せかけて遠ざかる。有利と思わせて誘い出し、混乱させて突き崩す。充実している敵には退いて備えを固め、強力な敵に対しては戦いを避ける。わざと挑発して消耗させ、低姿勢に出て相手の油断を誘う。
休養十分な敵には奔走に疲れさせ、団結している敵は離間を図る。敵の手薄につけ込み、敵の意表をつく。『孫子』の第一編である「始計」にあるこれらの言葉は、三つのことを意味する。①自分の意図を相手に悟られることは不利である。②充実した敵の備えには真正面からぶつかるな。③敵を驚かせる要素を強みにする。仕事も勉強も正面突破は避けること。
小さな努力で大きな成果を目指すには間接的アプローチを「本」とする。①自分の意図は相手に悟られてはならない。②充実した敵の備えに真正面からぶつかるな。③敵を驚かせ意表をつけ。真正面からの戦いは例外。成果を最大化するため、敵が驚く戦い方を基本とするべし。敵の五倍以上の能力がなければ、真正面から戦うことを「孫子」は否定している。