平成29年6月23日(№7373) 藤井四段 14歳の28連勝
藤井四段 14歳の28連勝
14歳の少年がいくら勝っても落ちついて表情を変えない。神谷広志8段の28連勝が30年前で「これは破られない記録の一つだ」と将棋連盟会長の佐藤さんは述べたが、藤井4段があっさり並んでしまった。あれだけメディアが騒ぐのだから、もう少しぶれが大きくても当然のことだ。ところが精神面、技術面でも安定感があり過ぎる。特異な少年だろうか。
テレビで見る限りだが、会場へ入場する時の歩く姿、部屋にはいってリュックをおろし扇子を出して置く姿、多くの報道陣に対しても傲慢でもないし、日常生活のように接している。技術のことは分からないが、勝ち続けているのだから強いのだろう。何勝目か覚えていないが41手目で詰みを確信し、102手で勝利を得た。藤井4段の強さには「A1」の活用も。
藤井4段は小さい時から、4つの数字に四則演算を組み合わせて「10」を作るゲーム「メークテン」などに熱中していた。齢80の私では14歳に勝てるはずもないが、集中力と頭の回転はよくなる。反対車線のナンバーを転写し、即回答するのはいまだに負けない。将棋や遊び、好きなことを自然と集中力が養われていった藤井4段、難しい授業も楽勝だろう。
歴史的記録が掛かった一番として、関西将棋会館は100人を超す報道陣でごった返した。50年前の天才棋士・加藤一二三九段は前日引退したが、この日はインターネットの解説役として登場し、新旧天才棋士の交代劇を思わせた。これまで将棋にはあまり関心はなかったが、新しいスターが誕生すると心を惹かれる。14歳の天才棋士に期待しながら見守りたい。