平成26年8月2日(No6435) 「五心」の更なる実践
「五心」の更なる実践
31日の鍵山カレンダーは「唱道の人多けれど 行道の人少なし」と嘆き節が書かれてある。出典は道元禅師。いつの世でも道を唱える人は多いが、実際に道を行う人は少ないことを嘆かれたものである。行動が伴わない口先だけの人はいつの世も信用されない。実践の人鍵山秀三郎さんの口から出ると重みが違う。毎朝、日めくりを唱えているが、自省・自戒。
掃除朝礼では「五心」を唱和しているが、唱えるだけになっていないか自省している。①ハイという「素直」な心。②済みませんという「反省」の心。③私がしますという「奉仕」の心。④おかげさまでという「謙虚」な心。⑤ありがとうという「感謝」の心。朝に唱えるたび「今日こそは」と思うものの、夕には「今日も足りなかった」と自戒の繰り返し。
唱えることが目的だと錯覚しがち。百万回唱えても行わなければ価値はない。どうしても唱えただけで満足しがち。改めて夕に一日を振り返るとき、反省はするのだが一向に変わらない。唱えるだけで実践しないとしたら詐欺師みたいなものである。特に⑤の「ありがとう」は口に出す言葉だから分かりやすい。今日は何度「ありがとう」と言っただろうか。
してもらうことが当たり前になって「感謝の心」を見失っていないか。職場で「ありがとう」の言葉が行き交わないと、どうしても雰囲気がぎくしゃくする。「ありがとう」は習慣になればいくらでも連発できる。心にもないことをと言われそうだが、潤滑油になるとしたらまんざら見捨てたものではない。「五心」の一つ一つは言い得て妙である。すべて潤滑油。
現場でも、職場でも、家庭でも「五心」が隅々まで行き渡れば、至って穏やかな日々が訪れる。笑顔の花がいっぱいに。