平成22年12月15日(No5109) 「予算が合わない」は禁句
「予算が合わない」は禁句
リフォームの見積書を提出したとき、お礼とお願いのはがきを書く決まりになっている。ところが、提出時のコメントに「予算が合わない」と書き添えてあるとペンが止まる。お客様の予算に合わない見積もりに、お願いはがきは筋が違うからだ。予算をオーバーしているが提出のとき、納得してもらえたかどうかが分からないと、誠意のある文章が書けない。
お客様の要望や予算に合わない見積書の提出は、基本的にあってはならない。お客様の希望と必要な金額が合わなければ、見積書を提出する前にその理由を説明して、調整する作業が欠かせない。要望などが変化する場合は別として、見積書の提出は最初で最後である。それだけの重みを持たせなければ、見積書としての値打ちが下がる。要望に沿う責任もある。
内容が変わらないのに金額だけ弄るのは邪道だと思う。折角の信頼まで失うだろう。予算とはいったい何か。お客様の懐具合のケースは意外に少ない。懐具合なら初回訪問のときに確認するのは、営業マンのいろはの「い」である。予算に合わないと言われるのは、聞き取りの基本がなされていないことになる。この場合、愚の繰り返しで破談になる場合が多い。
お客様の予算は言葉のやり取りで生まれるケースが多い。相談を受けて現地調査をしたとき「幾らくらい掛かるの?」と問われ、あいまいな受け答えしかできないと破談になるケース。概算で答えた金額がお客様の予算に化けることが多い。見積書の金額がそれより高いと「予算に合わない!」、安いと腹の中では納得している。この場合はクロージングが早い。