平成22年12月17日(No5111)  「ビジネス界」の再刊なる

「ビジネス界」の再刊なる

昨年の5月号から休刊していた「ビジネス界」が、遅ればせながら再刊を果たした。出版業の仕組みはよく分からないが、畏友は見事に立った。原稿依頼が10月1日、締め切り日は7日。20日発行の12月号という話。頼まれごとは天命と心得、借金の申し込み以外はニコニコと即引き受ける習慣だ。15日にゲラ校正はしたが、11月になっても音沙汰なし。

 

12月に入っても同じ。気に掛かりながらも日々の仕事に追われ、いつのまにか忘れてしまった。10日になってFAXが入った。「明日送る」。金銭的に深い関わりはなかったが、自宅や事務所の整理には何度も立ち会ったので窮状は承知している。それだけに雑誌が届いたときは嬉しかった。発行が遅れはしたが、再起の緒についたことをひそかに喜ぶ。

 

装丁も記事も以前に比べて充実している。ページ数も増えた。取材内容も、広島商工会議所の新会頭人事、来春の市長選、物故した気骨ある財界人への思い、市議会議長のインタビュー、2020夏季「広島五輪」の実現性など、与太記事は一本もない。たった一人で取材し、原稿を書き、広告も集めなければならない。尋常でない気迫を紙面から受け止めた。

 

「新年号を出す、原稿を頼む。急ぐ!」、電文のようにシンプルFAX。時間がないのは断る理由にならない。タイトルは「続・世相薮睨み」、辛口連載が16回になる。内容は政治、経済、教育など多岐にわたるが、素人原稿にしては評判も悪くない。再刊を祝ってささやかな「金一封」を用意して待っているが、畏友は一向に現れる気配がない。直接手渡したい。

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