平成23年3月18日(No5202) 優れた国民に稚拙なリーダー
優れた国民に稚拙なリーダー
東北関東大震災における被災者および日本国民の対応は、全世界から賞賛されている。祖先が多くの体験を通して築き上げた特質は「我を押さえて助け合って生きる」。平和なときには見えない日本人の素晴らしさが、ピンチになって遺憾なく発揮された事実を誇りに思う。政治家は法律を悪用することが得意だが、国民は法律よりも社会規範で生きている。
その反面、国家の稚拙さは惨事を拡大し、リーダーシップの欠如を世界に見せ付けた。民主党内閣は己の力があるならば、世界にアピールすべき絶好のチャンスだった。巨大企業の東京電力も管理能力の拙劣さと無責任体質を、世界にそして日本国民に見せ付けた。日常の仕事を下請け任せにしてのほほんとしているから、肝心のとき責任のある行動が取れない。
マスコミも今回は正常だった「日本という国は古くから助け合いながら守ってきた国。今回の災害でも自分のこととして大きな被害を受けた人のことを考えよう」というメッセージを繰り返し発していた。どんなに辛いときでも品性を欠くことなく、礼儀正しく対応していた。瓦礫の中でインタビューに応じた人たちも不足は訴えたが、他を非難しなかった。
菅内閣は己の能力がないことを棚に上げて、責任を他に押し付けることが多かった。「国民生活第一の民主党」のスローガンが泣く。経験は最高の教師。今回の想定外の被害は苦難を乗り越えて更に安全な国づくりへのスタートになる。原子力発電事故の経験は、世界一の安全な技術への道に通じている。花見を中止して会費を震災復興に贈るアイデァに大賛成。