平成23年3月19日(No5203) 感動から生まれる「絆」①
感動から生まれる「絆」①
ビジネスの環境は益々厳しくなっている。いまは大型物件がいくらか稼動しているから凌げるものの、東日本巨大震災も加わりこれからの見通しは極めて暗い。しかし、世の中が沈没したわけではないから、打つ手はいくらでもありそうに思える。要するところポジティブに考えれば、ささやかな道も大きく開けそうだ。あらためて視点を変えて考えた。
今日二つの出来事があった。一つは誕生日カードをお届けしたOB施主の奥様から泣き声のお電話。「感動した。声を聞いて涙が止まらない。何か恩返しができることはないか」。実は状況がよく飲み込めていなかった。お話をうかがうと、誕生日カードのメッセージに書いてあった「歩いた後に、一輪の花を咲かせたい」との一言が、ひどく胸を打ったとのこと。
現場巡回の途中、OB施主に誕生日カードとお花を届けた。ひとしきり雑談の後、「孫が結婚したら一緒に暮らしたい。そのときは大掛かりなリフォームになる。頼むよ!」。「私が生きているうちにね」と言って分かれた。どちらも後期高齢者の女性。誕生日カードは20年を超えてお届けしている。どうして今頃そういう話になるのか。驚いている。
これまで軽く受け止めていたが、この種の出来事は近年になって増えている。これはただ事ではないと直感するところがあった。うまく説明は出来ないが、サービスや人間関係が気に入っているお客様があるのでは…。気にもしていなかったが、どちらも「恩返し」という共通語を使われた。お客様の心の中にポジティブな「絆」が生まれたのではないか。(続)