平成29年3月9日(№7267) 老いても進化する脳
老いても進化する脳
長い老後をどう生きていくかというのは、生物学的な問題ではなく、社会がロールモデルを作っていないことが問題だと思う。私は3月1日で80歳になったが、為すべきことはこれからいくらでもあると思う。心筋梗塞と肝臓がんを患っているが、だからと言って人生は終わりではない。これから何年生きるか分からないが、人々のロールモデルになりたい。
地域で熟年の人に呼び掛けて講座を開いているが、高齢者は93歳がトップである。マニキュアをきれいにし、髪は茶髪に染めお洒落なファッションで参加される。その女性はロールモデルである。別の講座で88歳の男性が熱心に受講されている。丹念にメモを取られている。どちらも私にとっては生きるモデルである。メンタルは老いるが自分で改善できる。
いま政府は「働き方改革」を出しているが、ロールモデルは全く示していない。気にしているのは高齢者医療費の負担とか、高齢者一人の年金を何人が負担するとか、数の問題ばかりだ。いつまでも働くことの素晴らしさや、年をとっても元気で働けることの喜びという「メンタルの問題」を出していない。「高齢者が生き生きと働ける社会を作る」政策が欲しい。
瀬戸内寂聴さんは94歳になった今でも書き下ろしの小説を書いている。曽野綾子さんは85歳だがバリバリの現役。それを見て62歳の林真理子さんはまだ30年は書けると意気高い。これは一つのロールモデルだ。そう考えると80歳は老いる歳ではない。老いながらも後から続く若い人に生き方のモデルを見せたいものだ。しっかりした生き方をしたい。