平成22年11月10日(No5074) 広域商圏調査で紙屋町が3位に転落
広域商圏調査で紙屋町が3位に転落
このほど発表された広島市周辺の広域商圏調査報告書によると、20年前八丁堀周辺を押さえてトップの座を維持していた紙屋町周辺が3位に転落した。百貨店全盛の時代背景もあったが、老舗の「福屋」を核とした「天満屋」「三越」に「そごう」を加えた紙屋町、八丁堀が75%もの集客で繁栄した。八丁堀周辺は僅差でトップの座を維持したが来年は難しい。
中心街周辺の集客は、合わせて75%から34%と半分以下になった。首都圏や近畿圏の百貨店と同じ現象が、地方都市でも進んでいる。エリア別で急成長しているのは、府中地区と宇品・皆実地区。いずれも大型スーパーが核になっている。紙屋町は世代別支持率のトップはゼロ。市民球場の閉鎖に加え、百貨店や専門店街の不振が大きい。
八丁堀は20歳代、50歳代、60歳代以上でトップを維持した。高級ブランドやこだわりの食材など、中高年を意識した百貨店の店づくりの支持は底堅い。2位に上昇した府中地区は19歳以下と30歳代でトップ。50歳代も急増した。家族層から支持されたことを証明している。八丁堀に出店した「カフェ・Mランド」は紙屋町に目を向けなかった。慧眼。
広島駅周辺はマツダスタジアムが完成して一年を経過したが、集客力は落ちた。50歳代が大幅減で20歳代が増えた。広島カープが強くなればこの傾向は続く。わが社がターゲットにしているブランド客は、相変わらず百貨店志向が堅調なのは心強い。経済力が縮むなか生活防衛の意識がさらに強くなるから、戦略の見直しは他人事ではない。(参考・中国新聞)