平成23年5月6日(No5251) 待望の刻印が届く
待望の刻印が届く
30年ほど前になるが定年退職して書道教室を開いていた元警察官と交流があった。そのとき「伸」を一字彫った1㌢角の刻印をプレゼントされた。それから現在まで署名の下端に押印して愛用させてもらっている。欠けたところも少しあるが、それは数知れず押印した証となる。最近いただくはがきには、手づくりの刻印を使う人が増えている。欲しくなった。
自分で篆刻すればいいようなものだが、古希を超えた頃から指先が鈍くなり始めた。ページをめくるのでさえ簡単ではない。見た目は変わらないが、老化の失敗は随所に表れている。名古屋在住のはがき畏友・塚本恵昭さんから、「最近、篆刻を習い始めた」と便りがあった。生来の厚かましさと甘えを武器に、刻印を強要? した。しかも大型を2個も快諾。
塚本さんは大きなお菓子屋の旦那だったが、現在は第一線を退いて「森信三教学・読書会」などのお世話をしておられる。尊敬する鍵山秀三郎さん、寺田一清さん、そうじ、はがきを通じて共通の知人が多い。依頼した刻印は「凡事徹底」と「木原伸雄」。大きさは4㌢角。「期限を設けない」という条件付だったから、もっと先だと思っていたら5月1日に届いた。
先ず「凡事徹底」。嬉しくてはがきに押し捲った。そういう扱いをすべきではないと分かっていたが、つい弾みが付いてしまった。水平垂直がよくないものもある。反省。以後は心を込めて押印する決意。品のいい石はメノウ? 実は材料のこと、掛かりのことなど、取り決めせず「頼む、頼む」だけで塚本さんには失礼した。ハンコ屋さんの友に教えてもらう。