平成23年5月12日(No5257) 顧客が見限るとき
顧客が見限るとき
本社ビルに移転して間もなく25年になる。その間、理髪店と眼鏡店は続けてお世話になっている。理髪店の主は女性で今も美人だが、当時は若さもあった。閉店でもされない限りお世話になるだろう。一方の眼鏡店だが、こちらの勝手だが新しい店で求めることにした。プロセスをたどれば、商売は少しの油断で顧客から簡単に捨てられることが分かる。
昨年末、いまのメガネが不具合になり、新しく作ることにした。これまでは念入りな検査をしてくれるのだが、そのときは手抜きされたような気がした。メガネの出来栄えが良かったら不問になるところだが、具合が悪く作り直してもらった。価格は8万5千円。それでも使いにくかった。その旨を伝えたところ、少し手直しをして「様子を見てください」。
「様子を見る」というのは根拠のない常套語だが、それなら「その後いかがですか」という問い合わせがあってしかるべきだと思う。この一言で顧客との関係は維持できる。以前のメガネを使いながら辛抱していた。3ヵ月過ぎても音沙汰ないのでメガネはケースごと返品した。私の我侭だから8万5千円は返金不要と伝えた。しかし、作り替えるとの申し出。
検査は改めてしてほしいと要望した。それから1ヶ月が経過したが、何のアプローチもない。本来は「検査をお願いします」と行くべきだろうが、行きたくなくなった。大したことではないが「様子を見て…」と言われ、放っておかれたに過ぎない。他愛ない話だが業界一の眼鏡店は、25年来の顧客を失った。同じ目に遭った顧客はたくさんいる筈だ。