平成29年2月4日(№7234) トランプの我儘はいつまで
トランプの我儘はいつまで
米国の大統領選でトランプは非礼の限りを尽くしたが、選挙戦術として許される場面があるだろう。しかし、正式に大統領に就任したのだから、既に「既成政治家」「インサイダー」になったのである。米国の国家権力は「ワシントン」に集まる政治家が立てた法律を通じて、大統領が行使するのである。政府の体制が整わないのにサインし、混乱を起している。
司法長官代理がトランプの意に添わない発言をした一時間後に「おまえはくびだ」と馘首した。こういう手法はいつまでも通用しない。実際の政権運営は幕僚たちの認識や意見を尊重しないと頓挫する。トランプの個性に引き回されて、その言動に一喜一憂するさまは避けなければならない。大言壮語の割に混乱をもたらした政策展開が穏当に落着するのか。
政治指導者が権力を持ったからと独りで気張ったとしても、何かを成就できる訳がないのを米国史二百四十数年の歴史の重みが教えている。トランプの一言一句に過剰に反応するのは誤りだとしても、右往左往している世界の現実は厳然たる事実である。誰もが喜ばないことを強行しても、米国の国家威信が貶められるだけのこと。でも米国世論の51%は賛意。
安倍首相は2月10日に訪米しトランプと会談する。国会では民進党を始め野党が下らぬ質問をしているが、日本国のためにどうあるべきかという支援をすべきだろう。日本の平和と世界の秩序を維持するための政策展開における能動性や積極性を持ってトランプに対するべきだ。日本が国際秩序の構築にどのように関与するかの構想と意志を示して欲しい。