平成23年1月21日(No5146) 大企業なら何処でもいい
大企業なら何処でもいい
今年も就職内定率は最低を更新したとマスメディアが報じている。零細企業としては、別世界の話のようで実感がない。10数年前も同じ内定率などの数字が踊っていたが、今とはまるきり感触が違う。あの当時の学生は懸命だった。企業の大小を問わず、働く職場を探していた。しかし、数年前から働きたいと会社を訪問してくれる学生は激減している。
求人倍率は大手企業では0,47倍だが、従業員300人以下の中小企業は4,41倍に跳ね上がる。大手は業績が回復したにもかかわらず、依然として雇用には慎重な姿勢を見せている。デフレが止まらず、リスクをとってまで人材投資はしないようだ。大手は安定しているというのが志望理由だが、業績が安定していても身分が安定しているとは限らない。
中小企業は将来が不安だから、エントリしないのがインターネット時代の特徴という。もはや日本の若者は安定のみを求めて、挑戦する心を失ったのか。日本では雇用維持の責任が重いから、軽々に大手は人を採用しない。どうしても新卒や非正規社員が雇用の調整弁になる。そのため正社員になれず臨時的な職業に就かざるを得ない構図になってくる。
留学生の新卒者は能力が高く、働く意欲も強い。このままでは日本人全体としての職業能力が益々低下する。企業経営を担う人材が枯渇するのではないか。中小企業に就職して人生にチャレンジしろと呼びかけたところで、親からも学校でもそういう教育を受けていない若者は振り向かないだろう。零細企業では数ではなく質を求めている。ぜひ挑戦して欲しい。