平成29年1月25日(№7224) 年金支給は「70歳から」?
年金支給は「70歳から」?
日本老年学会が「高齢者は75歳から」と提言をした。「医学的な立場からのもので、財政的な問題はまったく念頭にない」というが、年金の支給年齢を引き上げる材料にはなりそうである。厚労省は年金の支給開始を70歳に引き上げようと試算をしている。それはイヤだと言っても財政が持たないのだから結局は受け入れることになる。それはいつからなのか。
現在の年金制度は世代間扶養方式。現役世代の保険料で引退世代の年金を賄っており、足りなくなった分を国が捻出している。1960年当時は11人が1人を支えていたが、今では2,5人が1人を、2050年には1,3人で1人になるのだからこのシステムがもつ訳はない。政治は難しいもので抜本的な見直しに手を付けない。それをすると政権が維持できない。
今年から65歳以上にも雇用保険が適用されることになり、また確定拠出年金(DC)への加入も、個人型の対象が公務員や主婦にまで拡大。中小企業向けに簡易制度が創設された。年金も自分で作っていかなければならない厳しい時代へ突入したと言うことか。支給年齢が70歳に引き上げられても定年制が70歳とはならない。定年後はフルタイムからパートに。
年金は現役時代の50%ほど貰えるそうだが、その厚遇は70歳まで待たねばならない。ローンを抱えていなければ10万円あれば暮らしていけるという。気が付いたときから新しく倹しい暮らしを心掛けないと悲惨な老後になりそうだ。元気で働けるうちに老後の暮らし術を身に付けておきたい。3年に1年ずつ引き上げれば、「いつの間にか70歳から」になる。