平成29年1月21日(№7220) 私立大学はピンチ
私立大学はピンチ
平成17年のセンター試験は太平洋側まで積雪があり受験生の皆さんは苦労した。もっと穏やかな季節に実施すればいいのに、一番厳しい時期を選んでいる。受験する皆さんは正月も勉強しており、新年歓迎のムードはない。私立大学の経営状況を見ると平成6年度には95,2%の大学が100%超であったのに、平成26年度には54,2%にまで大幅低下している。
文科省は入学定員の8割入学を一つの基準にしているが、平成6年度は99,5%とほぼ全校が満たしていたのに平成26年度は78,9%に低下。これは全体の2割超の私立大学で欠員が生じたことを意味している。多くの大学が入試の合格ラインを引き下げるなどしても、定員割れの厳しさは一向に減らない。大学経営の厳しさがうかがえる。
私立大学の経営状況はどうなのか。帰属収入(納入学費、寄付金、補助金)から支出(人件費、教育研究費、減価償却費などの費用)を差し引いた「帰属収支差額」がどのくらいあるか。「帰属収支差額」がマイナスの大学は、平成4年度13,8%に対し平成25年度には215校(36,3%)へと増加。私立大学の40%弱が赤字経営をしていることになる。学生数が大減少。
これに追い打ちをかけるのが「大学の平成30年問題」。これは18歳人口の減少と大学進学率の頭打ちにより、大学志願者数の大幅減少が予測される。ところがセンター試験の受験者はそれほど減っていない。私立に比べて学費の安い国立大学への強い志向が感じられる。これからは私立大学側の経営努力や経営手腕が厳しく問われる時代になったこと示す。