平成23年2月5日(No5161) 良寛さんの自戒
良寛さんの自戒
①言葉の多き。②口の早さ。慌しいもの言い。③くどいもの言い。④差し出口。⑤おれがこうした、ああした。⑥人のもの言い切らぬうちにものを言う。⑦わが事を強いて言い聞かさんとする。⑨人の話の邪魔をする。⑩鼻であしらう。⑪己が意地を言い通す。⑫あやまちを飾る。⑬ひきごと(引用)の多き。⑭好んで唐ことば(外国語)を使う。
①田舎ものの江戸ことば。②学者くさき話。風雅くさき話。悟りくさき話。茶人くさき話。③たやすく約束する。④人にものをくれぬ先に何々やろう。⑤くれてのち、そのことを人に語る。⑥返らぬことをくどくど口説く。⑦推し量りのことを真事になしていう。⑧ものを講釈したがる。⑨おかしくなき事を笑う。⑩憎き心をもって人を叱る。
良寛さんは高僧と伝えられるが、童謡に歌われる範疇でしか知らない。心豊かに乞食をして歩き、時に子どもと遊んで日の暮れるのも忘れた人だそうな。他人に法を説いたり、道を談じたりすることを好まなかった。しかし、良寛さんの慈顔は、何をしなくても人を感化したと伝えられる。良寛さんの自戒は論語の章句からと言われるが、難しくて分からない。
「良寛さんの自戒」はやさしい言葉に訳されており、一つ一つが自分の欠点をつかれているようでドキッとする。人間は誰でも傲慢になるが、それは心の弱さからくる。人間を強くするのは戒律だ。「戒深ければ、知恵もまた深し」とは釈尊のことば。「戒」は難しい話ではなく、「良寛さんの自戒」のように実に分かりやすい。自分はどうなのか、問いかけたい。