平成28年12月30日(№7198) 利便性の悲劇
利便性の悲劇
年末には子どもや孫たちが大挙して押しかけ、15名が年送りの会食をする。みんな食べ盛りだから十分に用意しておかないと寂しい。28日が過ぎるとネットに注文した荷物が届き始めた。記憶はないようなものだが、カニ、マグロ、ギョウザカズノコ、干物、さしみなど多様だ。社員にもプレゼントする生のカニも6㌔ほど届いた。女性運転手が二階まで運ぶ。
年末はクリスマス、お歳暮、おせちと一年でもっとも忙しい。ネットショッピングは便利だし、品物も豊富で安い。つい便利に買ってしまう。配達先が会社の場合は、誰かがいるから無駄足にならない。しかし、一人住まいが多い家庭はどうだろう。無駄足になるのが多いのではないか。一つの荷物でもかなり重いのがある。切れて荷物を蹴飛ばすニュースも届く。
荷物が多ければ時間外労働が増える。月80時間の残業が過労死ラインというが、朝7時半から夜11時くらいまで働く。ヤマトの取扱量は年間17億3126万件。その多くに「再配達」が含まれる。一人世帯が増えるほどに再配達は増えていく。送料無料の商品が多いが、そのしわ寄せは配達費に掛かると思われる。送料は手間賃なのだが、タダで働けというか。
ネット通販は生活を飛躍的に便利にさせたが、運ぶのは「人」だ。宅配便の増加に業界が耐えられなくなりつつある。しかし、ネット通販の便利さを手放すことは出来ない。どうすればいいか。配達時間を指定して、その時間に受け取ると相当楽になるそうだ。重い荷物はどうするのか。今日も6㎏の荷物を女性が二階まで運んでくれた。決して楽ではない労働だ。