平成28年12月13日(№7181) 進まない日露首脳会談
進まない日露首脳会談
12月15日、山口県の湯本温泉で日露首脳会談が開かれる。伊勢志摩でもG7が開かれたから画期的でもないが、陰りの見える「温泉旅館・大谷山荘」などは大歓迎である。それなりの成果を旗にして国会解散となるのか。今の民進党の実情を考えると急ぐことはないように思えるが、中田宏さんの国政参加を考えるとき悠長には構えられない。会談の成果は否?
安倍首相は「地元食材を使った和食でもてなし、リラックスした雰囲気の中で領土問題についてじっくり協議する」目的であるが、見通しは決して明るくない。首相は北方四島全ての返還を目指しつつ、まずは歯舞群島と色丹島の2島返還を最低条件に交渉に当たると見られる。しかし交渉は簡単ではなく、首相も世論の期待値を下げる慎重な発言が相次ぐ。
ロシアは経済活動を優先させようとしているが、両国が設置した「共同経済活動委員会」でも日本の法的な立場を損なわない枠組み作りで折り合わず実現至っていない。ロシア側は経済協力を優先と考えているが、交渉事はそれが実現するほど簡単ではない。歯舞群島に民間居住者はいないが、色丹島には3006人のロシア人が住んでいる。これをどうするのか。
日本の対露輸入額は前年より27,3%減、輸出額は36,4%減、その上ウクライナ問題をめぐる数々の制裁を科している。わが国では共同経済活動が先行しないよう平和条約と締結するセットのパッケージ化を模索しているが、ロシア側は難色を示している。いずれにしても大した成果は得られず、「大枠合意、詳細は継続協議となりそうである。国民は承知すまい。