平成28年12月6日(№7174) 満員御礼の垂れ幕
満員御礼の垂れ幕
初場所の琴奨菊の優勝には期待しなかったが、名古屋場所の豪栄道の全勝優勝にはもしかしての期待があった。数字多的には優遇されながら稀勢の里は期待に応えられなかった。糞ったれの白鵬は全休だし、ぼつぼつ分捕られた大相撲を日本の手に取り戻す時期が来たように思えた。年間最多勝も久々稀勢の里が届きそうで、星数は少ないが悪くない肩書きだ。
九州場所にはたくさんの期待があった。豪栄道の連続優勝、高安の大関昇進、復活遠藤の三役復帰。若手も生きのいいのが現れた。ところがである。豪栄道は負けた。放送では三敗になっても期待していた。高安は先場所まで11勝、10勝と来ていたから今場所12勝すれば大関に推挙される。ところがバタバタ負けで中日に黒星が先行し負け越してしまった。
遠藤は3大関1横綱を破り大丈夫と手を叩いていたら、あっさり負けしてしまった。目玉が頑張れなかったせいか不入りの九州場所は閑古鳥が鳴くほど。ところが土俵の屋根を見て驚いた。何と「満員御礼」の垂れ幕。貴乃花全盛の頃には正真正銘の満員御礼だった。砂被りも桟敷も青い座布団があちこちに見える。ガラガラの空席に「満員御礼」の垂れ幕?
かつては空席が一つでもあれば絶対に垂れ幕を下げることはなかった。それは大相撲の矜持でもあった。北の海理事長になって見栄は始まった。それまでの厳格な基準は止め、9割で満員、八百長騒動が起きた11年の9月場所は75%で垂れ幕を下げてしまった。九州場所では12回も「満員御礼」を下げたが、モンゴルばかり優勝していると面白さも半減する。