平成28年11月10日(№7148) インフラ陥没
インフラ陥没
11月8日午前5時前、福岡市のJR博多駅前の道路が大きく陥没した。地下鉄工事が原因とみられるが、こうしたインフラ事故はどの地域にとっても他人事ではない。建造物の耐用年数を100年と見れば、日本のすべてを100年の間に作り替えなければならない。オリンピックの新しい施設について小池知事たちは喧々諤々を繰り返しているがどうなる。
地方の建設工事は下火になっているが、オリンピック関連はこれからである。地下の工事は市民の目に見えないだけに驚くことが多い。それにしても博多駅前の道路陥没はすごかった。最後の中央部は轟音と共に崩れ去った。巨大な排水管や電気設備、それにガス管や電話線などどのように復旧するのだろうか。地中杭をむき出しにしたビルの寿命も心配だ。
広島市内は砂地であるため地下鉄は向かないが、それでも地中は穴だらけであり小さな陥没はしょっちゅう起きている。それにしても博多陥没はガスや電気が切断されたのに、火災が起きなかったのは奇跡に近い。現場近くのビルに勤務している人たちは異口同音にガスの匂いを訴えている。埋戻しをしているがどれだけのコンクリートと時間が必要なのか。
これまでのインフラ整備は拡大のみだったが、これからは何処を壊すかという選択になる。年間10兆円という更新予算は調達できない。周りにも使わない道路や橋はたくさんある。やがてインフラ利用者は少なくなっていく。JR三江線の廃止が決まったが、広島市内に張り巡らされた鉄道や道路の多くが無用の長物に。博多の陥没は大きな問い掛けをしている。