平成28年11月6日(№7144) 日露交渉はすれ違い?
日露交渉はすれ違い?
ロシア、中国、北朝鮮は日本国に対して親しくはなく、どちらかと言えば害をなす国と言えるようだ。12月15日にはロシアのプーチン大統領が訪日し、山口県で安倍首相と対談をする。主なテーマは北方領土の返還交渉と平和条約の交渉だが、お互いに牽制の火花を散らし溝は埋まっていないようだ。北方領土問題を前進させれば政権最大の政治的遺産になる。
「平和条約がない異常な状態に一日も早くピリオドを打たねばならない。今を生きる世代として問題を解決する強い決意で臨みたい」。安倍首相はTPP特別委員会で決意を述べた。一方プーチン大統領は平和条約の締結時期に関し「期限を明確にするのは不可能で有害だ」と慎重姿勢を示している。しかし、経済協力に対しては極めて積極的な意思表示をしている。
経済協力の花火はたくさん上がっているが、日本企業がどれだけ意欲を見せるかは別問題だ。シリアやウクライナ問題で米国と対立するロシアに進出すれば、「対米取引に支障が出るかもしれない」との見方があるのも事実である。プーチン大統領が積極的であっても、そう簡単にOKとはいかない。まして平和条約が締結されないとなれば、二の足を踏むだろう。
ロシアとの交渉が厳しさを増すなかで何とかなるほど簡単ではない。自民党内からでも「領土問題が進展しないなら経済協力は止めるべきだ」「北方領土は妥協せずに四島返還を要求せよ」という強い姿勢で交渉に当たるよう求める声が相次ぐ。安倍首相とプーチン大統領の個人的信頼関係がどれほどのものか。何よりもプーチンは国益を優先するのでないか。