平成23年6月11日(No5287) 愚直な経営
愚直な経営
広島市信用組合(以下市信用)は40年を超える取引があり、零細企業にも拘らず贔屓にしてもらっている。現在の山本明弘理事長は就任して6年目になるが、意気高い大声と愚直な経営方針は変わらない。本業に徹する経営は言行一致そのもので、浮利を追う株式などの金融商品から見事に撤退。経営方針に異を唱える人も多かったが、見事に押し切った。
その頑固さのお陰であのリーマンショックにもびくともしなかった。今回の東日本大震災で大きな影響を受けた東京電力は、株価があっという間に十分の一になった。大手銀行などは巨大な赤字決算に見舞われたが、市信用はまったくの無関係。8期連続の増収増益の決算となり、しかも今期はかつてない最高の実質業務純益となった。
このほど市信用では総代会を開催し、見事な業績を開示した。貸出金残高、預金残高とも10年連続して増えた。しかも対前年比6~7%アップ。さらに凄いのは不良債権の減り具合で比率を1㌫台にまで落とした。10年前は17%を超えていたのだから驚きだ。出資証券の配当は3㌫を堅持している。ここまでくれば貸出金利を少しやすくして欲しい。
しかし考えてみると素晴らしい。付いていく幹部は大変だと思うが、トップの経営方針で企業の業績はこれほどまでに輝く。あれこれへ理屈を捏ねているが、菅直人などは何の役にも立たない。山本理事長の爪の垢でも煎じて薬にして欲しい。もしも菅直人がトップに立っていたら、市信用はとうに倒産して、企業や預金者に迷惑を掛けていただろう。