平成28年7月26日(№7061) 衰退する郊外団地
衰退する郊外団地
広島県府中市では「大学誘致委員会」を発足させ、平成32年度を目標として大学を誘致する委員会を発足させた。府中市は広島県東部に位置する地方の小都市だが、5年後の人口は今の半分2万人になると予測されている。今からの協議で間に合うのかと不思議に思うほど政治家は気付きが遅い。大学誘致よりも企業の誘致が手早いと思うのだが、如何に…。
地方都市の縮小に限らず郊外の団地は、過疎化のスピードがアップしている。都市化に伴って郊外の住宅地を開発し、同年代の家族が移住してきた。同じように年齢を重ね同じように衰え、やがて子どものところか、高齢者の施設に移り住む、そして空き家になっていく。どこの都市の郊外も似たような現象が起きている。住宅団地の作り方に問題があったようだ。
郊外団地の空き家が増える新しい要因の一つに若年層の住宅地選びの変化がある。女性の社会進出による共働き世帯や、若年単身者の増加により「都心回帰」が顕著になっている。もはや郊外の住宅団地は魅力がなくなっている。住宅団地で平坦な団地は少ない。大抵の場合交通機関から上り道になり、年齢を重ねると徒歩での出入りが難しくなってくる。
足の弱くなった高齢者は住宅団地から便利の良い都心のマンションに移動する。広島市全体の人口は変わらなくても都心と郊外は明らかに変化がある。都心の人口は増加傾向にあり郊外の住宅地は過疎化になっている。すでに空き家が全国で800万戸もあるのに、毎年新築は100万戸近く建っている。空き家が増えるはずである。この現象はまだまだ続く。
アベノミクスを強力に進めるほど住宅団地は過疎化に進む。この傾向はまだまだ前に進む。過疎から消滅に向かうのか。