平成28年6月20日(№7025) ニッポン? ニホン?
ニッポン? ニホン?
話題になった理科学研究所が発見した新元素の名称案、「ニホニューム。一時は「ニッポニューム」ともいわれ、元素名として「ニホン」か「ニッポン」か、が話題になった。ニホン、ニッポンと聞いて記憶に新しいのが「ニッポン一億総活躍プラン」。政策が日本の隅々まで届いているとは思わないが、安倍首相は選挙運動でもずいぶん使っている。行き届くかな?
カタカナ表記ではなく「日本」の読み方としてはどうか。2012年の調査では社名に「日本」が付く上場企業220社のうち、ニホンが61%、ニッポンが39㌫だった。日本銀行はこれまで「『ニホン』を第1とし『ニッポン』を第2とする」としていたが、この項目を削除。ニッポンに統一した。いつ始まったのか分からないが、日本の紙幣は「NIPPON」。
併用の歴史が長いニホンとニッポンだが、昭和に入って終戦に至るまでニッポンへの統一機運が盛り上がる。「力強き日本、正しき日本は『ニッポン』であり『ニホン』はその語調において既に力が弱い。習慣の惰性で『ニホン』と口すべると思われるが、今日の日本においては『ニッポン』と正しく力強く呼称することを望む。(内閣情報局「週報」)
89年、現天皇陛下の即位式で、陛下が「ニホンコク憲法」、当時の竹下首相が「ニッポンコク憲法」と読み上げた。政治的に決着をみたのは2009年、麻生内閣のとき「『ニッポン』『ニホン』という読み方についてはいずれも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はない」と決着をみた。たかが「日本」の読み方だが、長い歴史をたどっている。