平成23年9月17日(No5385) 寂しい国技館の観客席
寂しい国技館の観客席
ようやく国技・大相撲が国技館の土俵に蘇ったが、なんとも寂しい初日になった。不祥事が続いたとはいえ、この空席はどうしたことか。ファンの信頼を取り戻すと武蔵川理事長は挨拶したが、大相撲離れは不祥事だけの理由ではない。勝負が詰まらなくなったのだ。観客を熱狂させるだけの取組みは遠くに去ってしまった。とにかく面白くない。
それでも昨年の9月場所は、念願かなって丸山正信ご夫妻と千秋楽を観戦した。目的が国歌・君が代の斉唱だったので歌えたことに満足した。しかし、10年も日本人の横綱がいないのは、国技を看板にするには悲しい。今年の9月場所(5日目)は、全勝力士が横綱白鵬だけではなく、関脇の稀勢の里と琴奨菊が頑張っているのは嬉しい。希望が持てる。
二人とも若くて馬力があるだけに、今場所こそ白鵬を圧倒して大関昇進の足掛かりをつくってもらいたい。名横綱・貴乃花が平成13年夏場所で奇跡の優勝をして以来、あっという間に10年が過ぎた。14日目に無双山に敗れて半月版の損傷。満足に歩けないのに千秋楽では、横綱・武蔵丸を投げ飛ばした。あのときの鬼神のような凄さは脳裏から離れない。
小泉純一郎首相が興奮気味に「よく頑張った! 感動した!」と絶叫したシーンが蘇れば、相撲人気も復活するに違いない。若い関脇に期待するのは無理かもしれないが、ファンとしては儚い望みをつなぎたい。貴乃花の大横綱の風格、謙虚な姿勢、真摯な姿は懐かしい。三連休が明けても白星を重ねて欲しい。来年の初場所は国技館で新大関の勇姿を見たいものだ。