平成28年5月23日(№6997) 品性のない横綱
品性のない横綱
目潰し&変化、品欠く白星で三十七回目の全勝優勝を果たした横綱白鵬は、土俵上を見ながら笑いが止まらなかったようだ。8日目は大関稀勢の里に続いて勝ち越しを決めたが、相手の新関脇琴勇輝は白鵬の乱暴な取り口に吃驚した。観客のブーイングと不満を訴える罵声、そんな不満など何処吹く風といつものように懸賞金の束を高々と振りかざした。
左手で張り、右腕で相手の左腕に強烈エルボー、弾き飛ばすと身体を開き左右ののど輪で押し出した。最後のダメ押しは両手を挙げて無罪をアピール。今場所は立ち合いが厳格になり何度もストップが掛かった。白鵬の野蛮な勝ち方は反則ではないが、勝ち方には横綱の精神性の高さが表れる。多くのファンは横綱に品格の高い勝ち方を求めている。
もはや相撲は格闘技化している。呼吸の合った立ち合いからスタートし、本来の技で決める相撲は姿を消した。暴れ者の朝青龍、格闘技の白鵬など大相撲に相応しくない力士もいるが、小結・勢はひじ打ちを食らってKОされた。白鵬の勝ち方は醜いが、それに負ける稀勢の里は情けない。千秋楽では辛うじて日馬富士を倒したが、来場所の綱取りは夢物語だ。
格下力士は横綱の面を張ってはどうか。「どうすれば横綱を倒せるか」と常に考えて稽古し、土俵に上がったら一発かましてやる。横綱の顔を張るのは失礼だという意見もあるか、横綱自身が勝つために手段を選んでいないのだから、格下力士は何の遠慮がいるものか。相撲から闘争心を引いたら勝てる訳がない。番狂わせを期待するファンを裏切らないで欲しい。
遠藤が強くなって上がってきた。ここから新しい相撲が生まれる。十両にも期待の若手が誕生した。三年くらい先になりそうだが遠藤を軸にした新しい大相撲が誕生するはずだ。