平成28年5月5日(№6993) 減り続ける子ども
減り続ける子ども
35年も変わらない現象なのに祝日の「こどもの日」になると減り続けている子どものニュースが大きな活字になる。こどもの数は54年の2989万人を最高に昨年は1605万人に最低を更新している。出産についは偉い人たちが心ない発言だと批判を受けているが、女性からしか生まれないし女性の結婚年齢は遅くなりつつある。当然ながら初産も同様である。
さらに低年齢層ほど少なく12~14歳が342万人で0~2歳が307万人と減る。子どもの割合はドイツの13,1%を下回り12,6%と世界で最低水準となる。子どもたちを育てる環境はあらゆる面で厳しくなっている。最近では子どもの声がうるさいなど近隣住民の反対で保育所が出来ないケースもある。高齢者や夫婦だけの世帯と地域の距離が広がっている。
世代のギャップを乗り越えてお互いが世代間のギャップを乗り越え、お互いの顔が見える関係をつくることも寛容の精神を育む一歩にもなる。地域の後押しを得て子どもが伸び伸び育つ環境が求められる。保育士の給与も極端に低いそうだ。全職種よりも11万円も安い。1万2千円引き上げたところで喜ばれる額にはならない。高齢者に偏り過ぎてはいないか。
大学の奨学金返済に悩む若者も多い。来年度から卒業後の年収に応じて返済する「所得連動返還型」が導入されそうだが、いっそのこと返済不要の「給付型」の創設もあるとか。財源や対象基準など問題点も多々あるが、意欲のあるものは全ての子どもが学べるシステムが必要だ。多少の負担は覚悟の上で次世代への投資が求められる時代になったように思う。
わが家にも3人の孫が大学で学んでいる。子どもらに意欲があれば少々暮らしが苦しくても大学に行かせるべきだが、それですべてが不幸になるようではどこかが間違っている。