平成27年1月31日(№6617) 労働の価値
労働の価値
人間の生活の基礎は労働であると、作家の佐藤優さんは強調する。佐藤さんは一ヶ月に300冊の本を読み、知の怪物と異名をとっている。一日約10冊、どのような読み方をすれば可能なのか。興味が深い。佐藤さんは労働価値説を経済学の基本にすべきだと教える。時給千円で10時間働いて得た一万円と株の売買などで一分間に得た一万円では、価値が違う。
10時間働いて得た一万円の方が価値は高いという考え方が社会で主流になると従業員も会社も強くなる。特別な技能を習得するのは至難の技だから、現在の職場で与えられた仕事をキチンとこなし、「あの人に任しておけば大丈夫」という信頼を得ることが大切。10年頑張れば、己の能力を発揮できる仕事が見つかる。そうすれば組織で気持ちよく生きられる。
「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、人に釣りを教えれば一生食べていける」(老子)。老子が言うように釣りの技術を身に付けた人は一生食べていける。口喧しいが面倒見のいい上司がいるか。5年、10年の先輩の中に一人でも、能力的にも人間的にも尊敬できる人がいれば、その人のノウハウを盗むことで確実に成長でき、間違いなく幸せに生きられる。
もしも尊敬できる上司や先輩が一人もいなければ、その会社から一刻も早く逃げ出せ、人生の転換は早ければ早いほどいいと佐藤さんは言う。佐藤さんの伝えたい労働の金言。「人生の前半は活力があるのにチャンスがない。人生の後半はチャンスがあるのに活力がない」。「仕事が楽しみなら人生は楽園だ。仕事が義務なら人生は地獄だ」。味わい深い金言が多い。
「楽をするな、手抜きをするな、汗を流せ、手をかけろ」と佐藤さんは強調する。分かりやすい平易な表現から学びたい。