平成23年11月10日(No5439) 6本目の指
6本目の指
野田新内閣で厚生労働大臣に就任した小宮山洋子氏は、記者会見で嬉しそうに「たばこ7百円新時代」をぶち上げた。一日に二箱をすっている野田佳彦新首相はその後どうしているか気になるが、一向にニュースが伝わってこない。いつの間にか増税論もタバコの煙のように消えてしまったが、小宮山大臣は振り上げたこぶしをどう下ろすのか興味深い。
喫煙人口は減ったとはいえ2200万人、愛煙党でも立ち上げれば内閣を立ち上げるほどの人口だ。最近の風潮で喫煙者は小さくなって楽しんでいるが、大臣に目の敵にされるほどの悪者ではない。なるべく他人様に迷惑を掛けないように自己抑制している。女優の淡路恵子さんは一日三箱のヘビースモーカーである。「タバコは私の6本目の指」とか。
小宮山大臣はタバコの値上げ発言で注目を浴びたが、肝心の年金、医療、介護、雇用などの発言は耳にしない。それとも声が小さいのか、国民の耳に届いていない。野党時代には年金問題で時代の寵児になった長妻某氏はどうしているのか。年金財政は危機に瀕している。保険料を上げるのか、支給年齢を引き上げるのか、大臣年の見解を示すべきだろう。
最大規模である厚生労働省のトップに立ちながら、気軽なタバコの値上げでしか注目を浴びないとすれば情けない。高齢化は避けられないとしても、年金負担をする少子化に歯止めを掛けるぐらいは出来るのではないか。わが社にはタバコが1000円でも止めないと豪語するものもいる。6本目の指を持っている国民は多いが、その真実に目を向けてもらいたい。