平成23年11月12日(No5441)  意見を求めるな

意見を求めるな

購読している「致知」12月号の特集は「孔子の人間学」。巻頭の言葉は牛尾治朗氏(ウシオ電機会長)の「土光敏夫・その人物と生き方に学ぶ」だった。土光さんは東芝や石川島播磨重工を再建し、国鉄や電電公社の民営化を成し遂げた率先垂範の人として著名。夕食のおかずはメザシ一匹という質素な暮らしが、多くの国民の共感を呼んだ。

 

土光さんは第二次臨時行政調査会の会長を務められ、国の行財政改革で大きな実績を挙げられた。日本の繁栄をもたらした数々の民営化もその一つである。牛尾さんが称賛されたのは会議等における処し方である。委員から意見を求められても応じなかった。その理由は「せっかく君たちが一所懸命に議論しても、自分が話せば意見がそっちに流れてしまう」。

 

牛尾さんたち委員は、その言葉に一層奮起したと言う。ハッとした。長い間会社を経営し、多くの団体のお世話をしてきたが「自分はどうだったろう」と反省させられた。「長」たるものの権力は大きく、どんないい意見でも、別の見解を示せばそちらに流れる。「ぼくの仕事は意見を述べることではなく、君たちの結論を実行することにある」。奮起するはずだ。

 

せっかくの意見が否定されれば、やがて空しくなり発言しなくなる。考えなくなる。意見が出ない、考えないと叱咤しても、そうさせたのは己自身だとやっと気付かされた。会議など意見が欲しければ、自分の意見を言わない、相手の意見を尊重する、常に求め続けることだ。そうすれば必ず良い議論ができ、良い結果が生まれると、牛尾さんは諭しておられる。

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