平成23年11月13日(No5442) 相次ぐ不祥事
相次ぐ不祥事
大王製紙の創業者一族が会社を私し、超法規で多額の資金を引き出して経営から追放された。会社が告発し、犯罪として摘発、捜査をされる。傲慢なわがままが、企業を危うくさせている。更に内視鏡カメラで世界一のオリンパスが、損失隠しの為に粉飾決算を行い、多額の損失が明らかにされた。バブル時代の負の遺 産というから、20年を超えての悪事だ。
10月9日の東京株式市場で連日のストップ安を続け593円。株が紙切れ同然になることを恐れた投資家の売り注文が殺到しているという。なんと10月13日の終値2482円と比べ76%も下落。株式の時価総額は6377億円から1581億円の4分の1以下になった。損失隠しは1千億円を超えるというが想像もつかない。上場廃止の可能性が高いという。
サラリーマン重役でも力を合わせれば、いくらでも悪い事ができ悲惨な結果を招くことを証明した。江戸時代のことわざに「普段よいなりする人に内証のよいはなし」がある。普段ぜいたくなよい格好をする人ほど、内々のやりくりに苦労しているものだという意味である。20年も悪事を見逃してきた企業監査、監督当局のいい加減さは、国内外の不信を招く。
企業の大小を問わず見栄っ張りになるのは、経営が苦しくなった証拠と言われる。日々の暮らしでも同じだが、つましい生き方が安心を呼ぶ。大王製紙の前会長が子会社の金を使い込んだときは、同族経営の甘さが問われた。オリンパスで問われるのはサラリーマン重役の保身と無責任だ。経営者自らが襟を正さなければ、大企業といえどもひとたまりもない。