平成23年11月18日(No5447) きれいの輪が広がる
きれいの輪が広がる
人生講座メンバーの平井時子さんから、「グランドゴルフを公園で楽しむ人たちが、ときどき落ち葉かきをしてくださっている。ありがたい」とはがきが届いた。大きな落葉樹が多い公園だけに、落ち葉の後始末は並大抵でない。平井さんは公園の管理役ではないが、ひまさえあれば進んで公園の手入れに余念がない。それだけに地域の人の協力は嬉しいだろう。
いきつけの散髪屋さんまで約800メートルあるが、徒歩で月に一度お世話になる。これまで二車線の道の両脇には、雑多なゴミが散乱していた。片側が川岸、もう一方はパチンコ屋と駐車場だから、町内会の清掃範囲からも外れる。だから散髪した後、担当外だが必ずゴミ拾いに回っていた。先日いつものように徒歩で散髪に行ったが驚いた。吸殻一本もない。
実はその道路につながる「諸木」のバス停は、新人の佐々木くんの担当になっている。時々でいいから計画的にゴミ拾いに回るよう依頼していた。道路わきにゴミ一つないのは、きちんとゴミ拾いをしている証だ。散髪屋に徒歩で向かいながら違う道を歩いている不思議を感じた。足元を気にしない人は多いが、中には「きれいな道」を喜ぶ人もいるだろう。
きれいだとゴミを捨てにくいものだ。ゴミ拾いはつまらない行いのように見えるが、実に大きな力を持っている。続けていれば誰かが気付く。気付いたら動く。その輪が広がったとき、まるで別世界の地域に生まれ変わる。そこで暮らす人たちの心が優しくなる。佐々木くんはリフォームの仕事では周りに迷惑を掛けているが、地域美化に対する貢献は一人前だ。