平成23年11月26日(No5455) 負けない努力
負けない努力
№5452で日本シリーズの結果について感想を述べた。落合博満監督は勝負に負けたが、その監督采配に多くのファンが高い評価を与えた。勝敗などの数字ではかつての名将に劣るが、監督としての識見は稀な名将として語り継がれるに違いない。落合博満著「采配」は発売前に人気沸騰、すでに増刷を重ねているという。ビジネスマン必見の書として薦める。
帯には「孤独に勝たなければ勝負に勝てない」、「勝利を引き寄せる66の言葉」とある。「邪念を振り切り、今この瞬間に最善を尽くす。監督の采配とはそういうものだと思う」(前書きより)。ペナントレースの終盤、クライマックスシリーズ、日本シリーズを通じ、ピンチにもチャンスにも表情を変えなかった。それでも選手は燃え、勝ち上がった。その秘密は?
「負けない努力が勝ちにつながる」と落合さんは語る。営業は契約を勝ち取るのが仕事だ。いくらが頑張っても契約がもらえなければ仕事をしたとは言えない。社員の成長ぶり、その仕事にベストを尽くしたかどうかの評価は別次元の話だという。投手が10点取られても、11点取れば勝ち。1対0で好投しても負けは負け。仕事をしたとは言えない。
繰り返すが「負けない努力が勝ちにつながる」、まさに金言だ。落合さんは付け加える。「一勝をつかむために、誰を信頼し、誰を中心に戦って行くのか、ここがブレてしまってはチームワークも、選手の目指す方向性もおかしくなる。この考え方は厳しい時代にこそしっくりくる」。どんなに善戦をしても契約がいただけなかったら、企業は成り立たない。消えるのみ。