平成24年1月11日(No5501) 成人の日
成人の日
もともと「成人の日」は1月15日と定められ、長い間親しみ尊重してきた。今は三連休を作り消費を活性化するとの屁理屈で、「敬老の日」「海の日」「体育の日」などと共に月曜日にされた。1月9日の「成人の日」は成り立ちの意味が薄められたようで味気なく、周囲の関心も少なくなったのではないか。それでもハタチの若者たちは存在だけで素晴らしい。
今年成人する若者は全国で約122万人。ピークの1970年の半数を下回った。増え続ける高齢者を、減り続ける現役人口が支えなければならない。若年層の失業率は他の年代に比べて高く、一向に改善の兆しは見えない。それでも世界は若者たちのエネルギーが変えている。圧政を倒したアラブの春も若者たちが…。やがて世界の不条理に伝播するに違いない。
今年の日本を動かすと予測される橋下徹・大阪市長を生んだのも若者たちだ。出口調査では熟年者たちの投票行動は互角だったが20~30代の若者たちが投票率を押し上げ、その大半が橋下さんを支持した。国の政治や経済に閉塞感が漂う中、もしかしたら日本を大きく変えるかもしれない原動力になっている。時代は厳しいが折れぬ心を持って欲しい。
経済の力におぼれ、科学の威力を過信して、ふるさとの山を枯らし川や海を荒らしたのは皆さんではない。原発だらけにして爆発事故を起させたのも、雇用と保証を奪っていくのも、1千兆円に及ぶ借金を作ったのも皆さんではない。それでも時代を新しくする力を持っているのは若い力。新成人、前へ。明日へ、未来へ歩みだそう。(この項、中日新聞社説より引用)