平成24年2月12日(№5533) 目減りし続ける野田首相の信頼
目減りし続ける野田首相の信頼
「税と社会保障の一体改革」、「平成24年度予算」など、「政治生命を賭けて不退転の決意で断行する」と野田佳彦首相は仰るが、どうも雲行きが怪しくなってきた。民主党最後の内閣として3月末にこけてもらっては日本国が立ち行かなくなる。もう代わりがいないからだ。しかし、与党の民主党も野党の自民党も、その危機感はさらさらないようだ。
参議院で大臣不適格の烙印を推された二人が要職に、さしたる理由もないのに再任されなかった中川正治文科相が防災相に復帰。広報委員長が消費税アップに反対で辞表を提出。あり得ないと思うが「普天間飛行場移転問題」で迷走し内閣を投げ出した鳩山友紀夫元首相が外交の、菅直人前首相は新エネルギー対策の、それぞれ最高顧問に就任するという。
加えて小沢一郎元代表と鳩山元首相が、堂々と消費税アップ反対を表明した。岡田克也副総理は「昨年末、拍手で決めたのをお二人ともご存じないのか、党内手続きは終わっている」と反論。民主党の党議決定にどれほど権威があるのか分からないが、かかる迷走は民主党では日常茶飯事で珍しくはない。拍手を盾にして遠吠えしても、聞くようなタマではない。
田中直紀防衛相の無知無能は口にしたくもないが、さっさと更迭すればいいのに「適任」を繰り返す。予算を審議すべき衆参の予算委員会は、田中防衛相をさらし者にしながら一歩も前に進まない。3月末は目の前だ。一身を投げ打ってガラガラポンにして解散総選挙、政界再編成に持ち込む意図なら、それも長い目で見れば大きな前進かもしれない。