平成28年3月11日(№6951) 民主主義の難しさ
民主主義の難しさ
大津地裁が高浜原発の3,4号機の運転差し止めを決定したことで、関西電力は様々なトラブルを抱え込むことになった。日本では一地裁の司法判断で国策を止めることが出来る。怖いもの知らずの安倍さんも従わざるを得ない。プーチンさんなら地裁の判断など無視するだろう。中国も同じ。最高権力者が最も強い。多くの地方の裁判所の判断に従うべきなのか。
一方的な見方だが原発稼働が前提の関西電力の経営戦略は変更せざるを得ない。電気料金の値下げは困難になる。原発への依存度が高い関電の電力供給は、再び需給の悪化に悩まされる。地裁の判断はまともなのか。どの程度の判断価値を持っているのか。日本の規制委のレベルは世界一と田中委員長は自信を示している。大津地裁の決定には多くの不信がある。
地方裁判所が最高裁の判例を逸脱することはなかった。まさかと思われたが、決まれば仕方がない。日本の法律はそのように決められており、為政者たちは法律を順守する。折角動き始めた原発も即刻停止とは情けない。原発稼働の判断は裁判官などの素人がすべきではない。規制委などの専門クループに一任するのが正しい。その意味でも判決は誤っている。
稼働中の高浜発電所三号機を停止するという仮処分の決定を受けた。関西電力の経営陣は呆然自失の態だ。四月からの価格体系について敷いたプログラムもご和算だ。早速異議の申し立てをするようだが、結果が出るのは半年後になる。動きを止めるのは難しい、もう一度動かすのはさらに難しい。しかし原発の再稼働は当面の国策だ。黙って従えない。
菅官房長官は「再稼働を進める方針に変わりはない」。原子力委員会が専門的見地から十分時間を掛けて判断した。その結論を尊重すると明言した。ぶれない為政者の姿勢も大切だ。