平成28年3月2日(№6942) 昨年入社の新人が退社
昨年入社の新人が退社
昨年の四月に広島大学を卒業した男子社員が入社した。最近は男子の入社がないので喜んだ。しかも趣味は演劇、専攻はドイツ語という変わり種だが、折角のご縁だから何とかしたいと思った。仕事の担当は新しく儲けた「六十五歳以上の人だちの暮らしを支援する」セクションである。とりあえず採算は度外視して何でもやる。暮らしの役に立てばそれでいい。
畑の草取り、窓ガラス拭き、ゴミの処分、留守番の生き物のお世話、数えきれないほど雑多な注文か舞い込んだ。現実には経験がないから戸惑っただろう。仕事の整理をしてくれる先輩もおらす、次第に行き当たりばったりの迷路に入り込んでしまった。仕事の段取り、金銭の請求、仕事の精度の問題点があらわになり始めた。そうなれば「笑顔がいい」は無理。
お客様からの苦情があれば本人に言い聞かせる、失敗を繰り返せば声も大きくなる。しかし、叱られる方も叱る方も辛抱がいる。あれこれ思いはあったが周りから手が出せない仕組みになっていた。今回退院したときのあいさつの中で「二月いっぱいで退社することになった」と報告があった。理由を聞く、引き留める、残念だがそういう立場にはない。
折角ご縁があって入社したのだから僅か十一ヶ月では短すぎる。それでももう一年頑張れば何とかなるか、のレベルではない。円満に退社させる、それがベストの手立てだ。仕事は三年辛抱せよというがそれも適不適がある。仕事が出来ればどのようにでも育てられるが、仕事の積み重ねが出来ない人はいつも初めてである。毎日が初めてでは仕事は進まない。
入れ替わりに新しい女子社員が入社する。新しい人に期待する。テストも悪くない。とりあえず新人の教育を担当するのであればベストを尽くしたい。企業は人次第だ。